ドラム式洗濯機が防水パンに入らない|測り直すと入ることがあります
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ドラム式洗濯機を買おうとして、防水パンのサイズを調べて諦めた。よくある止まり方です。
ただ、そこで見た数字が本当に測るべき場所だったかは、確かめておく価値があります。カタログや賃貸の設備表に載っている「640」「740」といった数字は、パンの外側の大きさを表す呼び名です。洗濯機が実際に載るのは、その内側です。
「640」は洗濯機が載る寸法ではありません
防水パンは、縁が立ち上がった浅い皿のような形をしています。水を受け止めるためなので、周囲に必ず壁があります。
このとき、
- 呼びサイズ:パンの外形。640mm、740mm、800mmなど
- 有効内寸:立ち上がりの内側、洗濯機の脚が実際に収まる範囲
の2つは一致しません。縁の厚みと立ち上がりの形状のぶん、有効内寸は呼びサイズより小さくなります。どれだけ小さいかはパンの製品によって違うので、呼びサイズから逆算することはできません。メーカーが公表している実際の数字は、防水パンのサイズ一覧で比べています。
つまり「640のパンだから640mmまでの洗濯機が載る」という読み方は、最初から成立していません。手元のパンを実際に測る必要があります。
測るのは、立ち上がりの内側から内側までです。幅と奥行、それぞれの一番狭いところを測ってください。パンの内部に排水口の凸部や補強のリブがある場合、そこが実質的な制約になることがあります。
角が丸い場合や、洗濯機が載ったままの場合の測り方は、防水パンの内寸の測り方にまとめています。
メジャーをパンの底に当て、壁の内側に突き当てて読む。これだけです。ただし床に近い低い位置を測ることになるので、数字を読み間違えやすい作業でもあります。2回測って同じ値になるか確認してください。
「入らない」は3つに分かれます
測り直した結果によって、状況は3つに分かれます。どれに当たるかで対処がまったく変わるので、まずここを切り分けます。
(a) 有効内寸が本体の設置寸法に足りない
本当に物理的に入らないケースです。この場合、同じ機種を工夫して載せる方法はありません。機種を変えるか、設置方法そのものを変えることになります。
(b) 寸法は足りるが、排水口が本体の真下に来る
見落とされやすいのがこれです。パンに載ること自体は問題ないのに、排水口の位置が洗濯機の真下に隠れてしまう。ドラム式は本体が大きいため、小型のパンほどこの状態になりやすく、特に640のパンでは、排水口がパンのどこにあっても、ドラム式の本体が必ずその上を覆います。740以上のパンでは、排水口の位置によって本体の外に出せることがあります。
排水口が本体の下に来ると、排水ホースを接続する空間がなくなります。ここで必要になるのが足台(かさ上げ台)や真下排水ユニットです。
(c) パンには載るが、別のところで止まる
パンの判定を通過しても、設置できるとは限りません。水栓の高さ、本体を置く場所の広さ、搬入経路。パンは最初の関門であって、最後ではありません。
足台は「入らない」の解決策ではありません
「防水パンに入らないなら、かさ上げ台を買えばいい」という説明を見かけます。これは(b)の話であって、(a)の話ではありません。
足台は、排水口が本体の真下に来たときに、排水の作業空間をつくるための部材です。 洗濯機を持ち上げることで、本体の下に排水ホースを通す隙間を確保する。寸法が足りない問題には効きません。幅が5mm足りないパンは、足台を入れても5mm足りないままです。
足台が必要かどうかの見分け方はかさ上げ台が必要なケースにまとめています。
そして足台には副作用があります。本体が持ち上がるぶん、上に必要な寸法がすべて増えます。
波及するのは次の2つです。
水栓の高さ。給水口を含めた本体の高さより、蛇口が上にある必要があります。厳密には、給水ホースを接続して曲げるための余裕もそこに足されます。足台を使えば、この全体がそのまま持ち上がります。水栓に当たる場合の確かめ方と対処はこちらにまとめています。
上方のスペース。 本体の高さに、メーカーが指定する離隔距離を足した寸法が必要です。ここにも足台の高さが上乗せされます。
もともと蛇口が低い洗濯機置き場では、足台を入れたことで今度は水栓に当たる、という入れ替わりが起こります。上に棚や吊戸棚がある場合も同じです。パンの問題を解こうとして、その上で別の問題をつくることになります。
足台は、使うと決まった時点で水栓と上方の条件が厳しくなる部材です。 「とりあえず買っておく」ものではありません。
なお、この上方離隔距離は機種によって違います。パナソニックの中だけでも210mmから300mmまで幅があります。メーカーや機種が変われば数字も変わるので、機種を決めてから確認する必要があります。
それでも入らないときの選択肢
(a)、つまり寸法そのものが足りないと分かった場合です。
奥行の小さい機種を探す
ドラム式は奥行の差が大きい製品です。同じメーカーでも機種によって数センチ違います。幅は規格に近い値に揃っていることが多いので、探すなら奥行を軸にするのが現実的です。奥行が特に小さい機種は、奥行60cm以下のドラム式洗濯機で設置条件とあわせて比べています。
640の防水パンに置ける機種は、防水パン640に入るドラム式洗濯機にまとめています。
防水パンを撤去する
物理的には可能ですが、賃貸では原則としてできません。防水パンは設備として設置されているもので、撤去は原状回復の対象になります。退去時に戻す義務が発生し、排水管の処理も伴います。管理会社の許可なく行うものではありません。
パンなしで直接床に設置する
パンがない洗濯機置き場もあります。ただしこれは物件の条件であって、選べるものではありません。
防水パンは5つの関門の1つ目です
設置できるかどうかは、順番に確かめる必要があります。
1. 防水パンに入るか
2. 排水口が洗濯機の真下に来るか
3. 水栓に干渉しないか
4. 本体が設置場所に収まるか
5. 搬入経路を通るか
この順序には理由があります。2で足台が必要と分かると、3と4に必要な寸法がそのぶん増えるからです。 先に水栓の高さを測って「足りている」と判断しても、後から足台が必要と分かれば、その判断はやり直しになります。
逆に言えば、パンの寸法だけを見て諦めるのも早すぎます。1で止まっているのか、2で止まっているのかで、打つ手はまったく違います。
測っておく場所
次に進むために、この5つを測っておいてください。
- 防水パンの有効内寸(幅・奥行)— 立ち上がりの内側から内側まで
- 排水口の位置 — パンの中央付近か、端か(640のパンなら測らなくても真下に来ます)
- 水栓の高さ — 防水パンの上面から蛇口の最も低く突き出た部分まで(測り方はこちら)
- 洗濯機置き場の幅と奥行 — 扉や壁の内側まで
- 上方の余裕 — 棚や吊戸棚がある場合、その下端まで
この5つが揃えば、置けるかどうかは判定できます。
それぞれの測り方と、搬入経路の確かめ方は、ドラム式洗濯機の設置スペースの測り方にまとめています。
すでに「設置できない」と言われた場合は、こちらで取れる選択肢をまとめています。